拒食症・無食欲症、食事が摂れなくなる摂食障害に見られる様々な症状
精神的なストレスや過剰なダイエットから起きる「拒食症」は、知らない間に体を蝕んでいきます。
拒食症は「神経性無食欲症」という正式名称にもあるように、食欲がなくなり食事が摂れなくなることを主な症状としていますが、拒食症には他にも様々な症状が見られます。
まずは体重の減少です。拒食症になると食事が摂れなくなりますから、自然と体重は減少していきます。通常の状態でも食事を摂らなければ体重の減少は起こるものですが、拒食症の症状では体重が著しく減少していくことが特徴的です。
私達には身長や年齢に適した「標準体重」というものがありますが、拒食症患者の場合は標準体重から”20%も減少していることが多く見られています。
ダイエットをしている場合は体重を気にすることが増えますが、拒食症を発症している人には体重が異常に減っているにもかかわらず「もっと減らさなきゃ」とダイエットを続けてしまう、といった行動がよく見られます。
そして、このような場合は自分では拒食症だと気づいていない場合がほとんどですから、この異常な状態に誰かが気づいてあげなければなりません。
拒食症は患者本人の力だけで治せる症状ではないので、家族などの周りの人達の協力が重要となるのです。
また、食事を摂らなくなるという行動は、体重減少の他にも思考能力の低下や運動能力の低下も引き起こします。食事を摂らないのですから、頭にも体にも栄養がまわらなくなり、1日に使うべきエネルギーも蓄えられなくなってしまうのです。
これでは仕事も勉強も身に入らず、ひどい場合は普通に歩くこともできなくなってしまいます。
「食べる」ということは、私達が生きていく上で必要不可欠なことですから、拒食症を回復させるためには食事を摂ることについて、改めて認識を変えることが必要になります。
「食べる」ということの素晴らしさやありがたさについて、考えていくことも治療の一つなのです。このような症状も家族全体で解決していきましょう。
この他、拒食症は食事が摂れなくなるだけではなく、食事を摂ろうとしても食べ物を受け入れられない体になってしまっています。そのため、食事を摂れたとしてもすぐに嘔吐してしまう症状もよく見られます。
食べて嘔吐する、この行為を繰り返していくことで胃酸が過剰に分泌しますから、歯がもろくなったり虫歯ができやすくなることもありますし、のどに指を入れて嘔吐をすることで手の甲に「吐きダコ」ができてしまうこともあります。
また、嘔吐を繰り返す患者の特徴としては、普段から言いたくても言えないことを心の奥に抱えている傾向が強く、嘔吐することが心の中にあるわだかまりを吐き出すことの代わりとなっていることもよく見られます。
拒食症は何らの精神的ストレスが原因となっているため、どんな症状がある場合でもその症状の原因であるストレスを緩和させていくことが症状を改善していくために必要となります。
拒食症の治療は症状を理解することから、拒食症治療のための協力体制
食事を摂れなくなる、体重が著しく減少する、といった症状が主に現れるのが「拒食症」です。拒食症は「神経性無食欲症」という症状ですが、一般的には拒食症という名称で知られています。
無食欲症と呼ばれていることからもわかるように、食欲がなくなることが特徴です。さらに食事を摂ることができなくなり、体重も減少していきます。
主にダイエットを目的として体重を減少させる行動から、拒食症を発症するケースが多く見られていますが、ただ体重が減少するだけではなく、体重が標準体重より”20%にまで減少した状態が三ヶ月以上続く症状が、拒食症の診断基準となっています。
こうした拒食症は、胃腸など消化器官の不振かと思われることもありますが、実際は精神的な疾患の一つになります。
精神的な疾患にはうつ病や社会不安障害などの様々な疾患がありますが、拒食症もまた精神的なストレスから発症する疾患なのです。
拒食症を発症する原因には過剰なダイエットを始め、職場・学校・家庭におけるストレス、人間関係の不安、自己との葛藤など、様々な事例がありますが、どの場合も精神的な悩みが大きな原因になっていることは同様です。
そして、拒食症を治療するには、この精神的な悩みを心の中から取り除くことが必要となります。
拒食症は患者本人の力だけで治療することは非常に難しく、症状がさらに重くなることもありますし、他の精神的疾患を併発してしまうことも珍しくありません。
そのため、病院での適切な治療が必要となりますが、病院で治療を受けたからといってすべての症状が良くなるわけでもありません。
拒食症の治療は、他の精神的疾患と同様に薬物療法を行うこともありますが、薬物療法はあくまでも治療の補助的な役割となります。拒食症は薬物療法だけで治療できる疾患ではない、という点をよく理解しておく必要があるでしょう。
では、拒食症はどう治療していくことが回復につながっていくのでしょうか。そこにはまず、拒食症患者本人の「拒食症を治す」という意思が必要になります。
拒食症を始めとした摂食障害は、食に対する意識を変える認知行動療法、正しい食行動を行うための行動療法、自己をよく見つめ直すための心理療法によって治療されていきます。
薬物療法に頼るのではなく、こうした行動療法や心理療法が回復につながっていくのです。
そして最も重要なのが、拒食症患者本人の周りにいる家族の協力体制です。これは家族療法とも呼ばれ、拒食症を家族全体の問題として捉えることで患者を回復へ導く治療法になります。
拒食症などの精神的疾患は人間関係が大きく関わっていますので、家族を始め、友人や仲間の協力体制が回復の近道となるのです。
そのためには、患者の家族も拒食症の症状についてしっかり理解を深めておかなければなりません。患者の負担を軽くし、少しでも早く回復できるように、家族全体で協力をしていくことを考えましょう。
